アルバロカスタネット



先週、大阪のギャラリーでアルバロカスタネットという水彩画家の作品を観てきました。

この作家、水彩画界隈では有名な方で、ほぼ透明水彩絵具だけで、油彩画のような抵抗感のある強い画面や、深い奥行きなどの表現法を生み出した現代水彩画の第一人者です。

今回は、個展ではなく複数の日本人水彩画家とのグループ展で展示数は少なかったのですが、日本での初展示?ということでオープン後すぐ行ったにも関わらず、すでに会場内はファンの方たちでいっぱいでした。

ギャラリーの方も熱弁されていた通り、デッサン力の高さと画面構成の巧みさは目を見張るものがありましたが、なにより

印象に残ったのは筆づかいでした。建物や人物、車などの影や陰を強く濃い筆致で縦横無人に走らせ、また巧みに画面に参加させて、まる私自身が画面内に入って街の喧騒や息づかいを直に感じている様な臨場感を生んでいます。

単調になりそうな影を、筆の抑揚だけで多彩で変化のある「かたち」として描けるのは、水彩画家の中に書道家が同居しているからでしょうか。なので写真のように建物の壁に映った影などは花押のようです(笑)。